作曲家について
林光


林 光
HAYASHI Hikaru


プロフィール
1975年よりオペラシアターこんにゃく座座付作曲家兼音楽監督。
1997年より芸術監督に就任。
1931年10月22日東京生まれ。
1941年から尾高尚忠氏に作曲を学ぶ。東京芸術大学作曲科に入学。1953年同校を中退、間宮芳生・外山雄三氏とともに「山羊の会」を結成した。同年『交響曲ト調』により〈芸術祭賞〉を、1961年映画音楽「裸の島」(新藤兼人・監督)により〈第2回モスクワ国際映画祭作曲賞〉を、1995年「ヴィオラ協奏曲<悲歌>」により〈第44回尾高賞〉を、1998年にはオペラの作曲活動全般にたいし〈第30回サントリー音楽賞〉を受賞した。その他受賞多数。
2012年1月5日没。

主なオペラ作品
『絵姿女房』(1961)
オペラ『おこんじょうるり』(1975)
オペラ『白墨の輪』(1978)
オペラ『セロ弾きのゴーシュ』(1986)
オペラ『森は生きている』(1992)
オペラ『変身』(1996)
オペラ『吾輩は猫である』(1998)
オペラ『三人姉妹』(2001)
オペラ『イヌの仇討あるいは吉良の決断』(2002)
オペラ『花のラ・マンチャ騎士道 あるいはドン・キホーテ最後の冒険』(2004)
オペラ『鹿踊りのはじまり』(2005)
オペラ『Opera club Macbeth』(2007)
オペラ『そしてみんなうそをついた~芥川龍之介「藪の中」による~』(2008)
オペラ『ねこのくにのおきゃくさま』(2011)
など多数。

オペラ以外の作品
『第三交響曲<八月の正午に太陽は…>』(1990)、をはじめ多くの合唱曲、室内楽、ピアノ曲がある。そして「ソング」と呼ばれる魅力的な歌の数々がある。中でも1958年に初演された合唱曲『水ヲ下サイ』(原民喜の詩による)は、後に2章を加え1971年『原爆小景』とし、2000年ニューヨークにおいてアメリカ初演された。さらに2001年終章『永遠(とわ)のみどり』を加え、42年を経て完成。2001年は「70才記念コンサート」が各地で開催され、『林光・歌の本』全4巻も刊行された。著書に『日本オペラの夢』(岩波新書)、『ゴーシュの仕事場』(一ツ橋書房)など多数。
萩京子

萩 京子
HAGI Kyoko


オペラシアターこんにゃく座代表・音楽監督
東京出身。
1978年、東京芸術大学音楽学部作曲科卒業。
1979年よりオペラシアターこんにゃく座の座付作曲家兼ピアニスト。
1997年、音楽監督に就任。
2004年、こんにゃく座代表に就任。

主なオペラ作品
オペラ『北守将軍と三人兄弟の医者』(1992)
オペラ『金色夜叉』(1995)
オペラ『ガリバー』(1997)
オペラ『月の民』(1998)
オペラ『ロはロボットのロ』(1999)
オペラ『にごりえ』(2000)
オペラ『まげもん-MAGAIMON』(2002)
オペラ『好色一代男』(2005)
オペラ『ピノッキオ』(2007)
あちゃらかオペラ『夏の夜の夢~嗚呼!大正浪漫編~』(2008)
オペラ『ネズミの涙』(2009)
オペラ『ゴーゴリのハナ』(2011)
オペラ『アルレッキーノ~二人の主人を一度に持つと~』(2013)
オペラ『銀のロバ』(2013)
オペラ『おぐりとてるて-説経節「小栗判官照手姫」より-』(2014)
オペラ『イワンのばか』(2020)
オペラ『さよなら、ドン・キホーテ!』(2021)
他多数。

オペラ以外の作品
合唱曲『飛行機よ』(寺山修司・詩、カワイ出版)
『朝のパン』(石垣りん・詩)
ピアノのための『12の前奏曲』
宮澤賢治の作品にもとづく作品群『よだかの星』『注文の多い料理店』
など。

劇音楽
俳優座プロデュース『夜の来訪者』、前進座『かんがえるカエルくん』、劇団仲間『カモメに飛ぶことを教えた猫』等の劇音楽を担当。
他劇団からの委嘱も多い。

〈ひとこと〉
作曲をしていると、特にオペラの場合、長丁場なのでたいてい行き詰まってきます。
書き始めも苦労するのですが、真ん中あたりと終盤、いずれもたいへんです。
あるオペラの大詰めを前にして、大いに悩んでいたときがありました。
ある夫婦が喧嘩しながらも仲睦まじく暮らしていく様を、生き生きとした終曲として作曲しなくてはなりません。でもなかなか筆が進まず。(←なかなか古風な良い言い回し!)
そんなある日、ある座員がわたしを呼び止め「話がある」と言います。そしてこんにゃく座のBスタジオに入りました。 「結婚します」と言われ、「おー!おめでとうございます」と言ったものの、心の中では瞬時に「誰と?」という疑問符が浮かびます。
「この人とです」と、その人が指さしますと、わたしの後ろに、ある座員が立っておりました。
「お!おー!そうですか!そういうことですか!」
その時のわたしの驚きは、たいへんなものでした。
わたしは座員間の恋愛事情に興味津々とも言えるし、疎いとも言えるのですが、そのおふたりは全くノーマークでした。そしてその意外なカップルのゴールインに、胸が高まりました。
そして何と、その夜のうちに、難航していたオペラの終曲を書き上げることができました。
座員の結婚話に胸が高まり、スラスラと作曲できるなんて、我ながら驚きです。
それ以来、作曲に行き詰まると誰か結婚しないかな?などと思うようになりました。
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