よだかの星

『よだかの星』が宮澤賢治の文章をそのままに、「うたものがたり」になりました。
よだかの声がうたになってそっと心に響きます。
スタッフ
原作:宮澤 賢治 作曲:萩 京子 演出:大石 哲史・萩 京子
ものがたり
「よだかは、実にみにくい鳥です。顔は、ところどころ、味噌をつけたようにまだらで、くちばしはひらたくて、耳までさけています。」
醜さゆえに他の鳥からきらわれ、鷹(たか)からも改名を強要されるよだか。絶望的になり、太陽や星に 「お日さん、お日さん。どうぞ私をあなたの所へ連れてってください。やけて死んでもかまいません…。」 とお願いするが相手にされません。
さらに絶望的になり、必死に夜空にむけて飛び続けたよだかの体は、いつしか青い美しい光になって、燃え続けていました。 「よだかの星」はいまでもまだ、燃えています。
作曲家より
- 鷹の仲間でもないのに、名前に「鷹」が入っているために、よだかは鷹からいじめられます。鷹はわざわざよだかの家までやってきて、「名前を変えろ」と迫ります。まったく理不尽な言いがかりですね。しかしよだかは、よだかという名は神さまからもらったのだと言い、名前を変えることは受け入れない。死んだ方がましだ、とまで言います。
私は物語の初めの方で示されるこのエピソードに、よだかの自分の存在をかけた自己主張を見出しました。よだかはお日さまや星たちに助けを求めますが、皆いい加減な対応ばかりで、誰も親身になってよだかの身を案じてくれるものはありません。その結果、よだかは絶望して死ぬのでしょうか。よだかの行為をひとつの自己犠牲と見て、その魂が星となって輝く、という読み方が多くされますが、私はむしろ、自分の存在をかけて戦い、生きようとするよだかの姿、その矢のように空を横ぎって飛ぶよだかのエネルギーに強く惹かれました。
『よだかの星』は短い物語ですが、全編を通じて心地よい緊張感があります。またユーモアにも満ちています。このうたものがたりは、すべて宮澤賢治のことばそのままに作曲しました。「よだかは実にみにくい鳥です。」に始まる地の文には賢治独特のリズムがあり、また会話や独白の部分には、この時代に書かれたほかのどんな小説や戯曲以上のリアリティーがあります。ことばが音として生き生きしているのです。賢治の作品はどれも目で読むだけでなく、声に出して読むとおもしろさが増すのですが、そのおもしろさに後押しされて、ものがたりすべてを歌ってしまおう、ということから、うたものがたり『よだかの星』は生まれました。
これもひとつのオペラです。でも大がかりな舞台装置も照明もありません。ピアノと小さな空間さえあれば、わたしたちはそこを一日だけのオペラハウスにしてしまおう、と思います。見てくださる観客のいるところ、どこへでも出かけていって歌います。それがオペラのはじまりだから。このうたものがたり『よだかの星』を見ていただければ、もうオペラへの入り口のドアは開かれているのです。(萩 京子)
アンケート
- おほしさまがきれいでした。ピアノのおとがすごく きれいでした。うたがこえがおおきくてすごくきれいでした。 やけてもかまいませんとゆうのがすごくさびしかったです。
- ぼくが心にのこったのはよだかの星です。かっこよかった のはたかです。でも一番によかったのはよだかです。 それは生きものをころすのはだいじな時だけにしてくれ。 と言っているのと、さいごにほしになったというのがかんどう しました。さいごよだかがころされないで星になれてよかったなぁ。
- よだかの星は一回本で読んでもらったことがあるけど動きがあると、よだかの気持ちがすごくよくわかりました。しかもいろんな衣裳に着替えたり、セットがすごくて「自分たちで作ってんのかなぁと思いました。
- うたを10曲うたうとつかれるからすごいなぁと思いました。アルトとソプラノがハモった時がすごくじーんと心にきました。うたうだけでなくげきもすごかったです。
公演データ
- 公演日程
- 2010年4月下旬~7月・10月~11月・2011年5月下旬~7月中旬
- 上演時間
- 1時間10分(休憩10分を含む) 仕込み3.5時間・バラシ1時間
- 会場条件
- 間口7.2m 奥行き5.4m
※体育館公演可能。その際公演条件が変わります。詳細はお問い合わせ下さい。 - 人数
- 6人(歌役者4人+ピアニスト1人+スタッフ1人)
- 移動方法
- 電車移動・運搬ワゴン車1台
- 公演についてはこんにゃく座までお問い合わせください
