

オペラシアターこんにゃく座は、新しい年2012年2月に、創立40周年のしめくくりとして、また昨年9月に亡くなられた、劇作家・演出家である山元清多さんへの追悼の思いを込めて、山元清多台本・演出、萩京子作曲によるオペラ『金色夜叉』を公演いたします。
オペラ『金色夜叉』の初演は、1995年9月。その後、2000年まで全国各地にて、50ステージを公演しました。ご当地の熱海市では、南熱海マリンホールに仮設舞台を創り、地元の方々と一緒に公演を楽しみました。また各地の高校生を対象とした学校公演では、おそらく初めて尾崎紅葉の「金色夜叉」に、そしてオペラに出会ったであろう、多くの高校生達にも新鮮な感動をもたらしました。
尾崎紅葉の代表作「金色夜叉」は、新聞小説として生まれました。作者が連載中に死去したため未完に終わっていますが、連載中から人気沸騰し、熱狂的な女性ファンも多かったと言われています。山元清多は、この一大ドラマの、格調高い地の文の文語体を、詩のかたちに作り直し、当時の美しい日本語の話し言葉を織り交ぜ、これぞ“日本語”の“物語るオペラ”と言える見事な台本に仕上げました。
そして、萩京子による、言葉と密接に結びついた力強い音楽が、『金色夜叉』の世界を生きた人々を一層鮮やかに、生き生きと描き出しています。
今年は、日本中で世界中で、今を生きる私たちについて、そしてこれからの世界について、真剣に考え続けていかなければならない、忘れてはならない多くの事を示す年となりました。
それでも、私たちこんにゃく座は、私たちにしかできないオペラを創りつづけ、オペラを持って日本全国へ世界へと旅を続けていきます。そのことが希望につながると信じて、これからも活動を続けていきます。
ぜひ、こんにゃく座のオペラを、オペラ『金色夜叉』を、ご覧いただき、時間を共有していただきますよう、こころよりお願いいたします。劇場にて、座員一同お待ち申しあげます。
2011年11月
オペラシアターこんにゃく座
間貫一は、亡父を恩人と慕う鴫沢隆三に育てられ一高で学び、隆三の娘の宮とは許嫁となっていた。だが、隆三の「宮を銀行家御曹司・富山唯継へ嫁にやる、お前はヨーロッパへでも留学するがよかろう」との突然の申し出に、貫一は苦しみ怒る。
富山に見初められた宮は、迷いながらもこの縁談を承諾する。貫一は、熱海へと宮を追うが宮の気持ちは変わらない。激怒した貫一は、宮の前から姿を消し、金ゆえに愛を奪われたことを呪い「金と色の夜叉」となることを誓う。4年後、高利貸しの鰐淵直行のところで、手代として働く貫一は、借金の取り立て先で、痛めつけられ侮辱される。こうやって自分を痛めつけながらも金を貪り続ける。しかし宮を失った胸の痛みは忘れられない。同業者である赤樫満枝にしつこく口説かれるが「人の心も色恋も捨てた」と拒絶し続ける。
一方、満枝に入れ揚げている鰐淵、それを嘆く妻のお峯。そんな鰐淵夫妻も息子をだまされた老女につきまとわれ、いつしか炎上し、灰と化すこととなる。田鶴見子爵邸内で偶然貫一を見かけた宮は、貫一への思いが募る。宮の冷たさに、夫の富山も外遊びで憂さを晴らすようになり、彼らの結婚は幸せなものではなかった。後悔した宮は貫一へ手紙を出し続け、とうとう家を訪ねて行き、許しを請う。そこで出会った満枝と宮は、互いに嫉妬の炎を燃やす。そして…。

| 原作 | 尾崎紅葉 |
|---|---|
| 台本・演出 | 山元清多 |
| 作曲 | 萩京子 |
| 演出 | 伊藤明子 |
| 美術 | 島次郎 |
| 衣裳 | 宮本宣子 |
| 照明 | 齋藤茂男 |
| 舞台監督 | 大谷地力 |
| 音楽監督 | 萩京子 |
| 芸術監督 | 林光 |
| 宣伝美術 | 矢吹申彦(絵)+日下潤一(デザイン) |
東京都出身。東京大学教育学部教育心理学科卒。 1967年劇団「六月劇場」参加。1968年「演劇センター68」を経て「68/71黒色テント」に参加。以後、68/71黒色テントの劇作、演出を中心にテレビ、ラジオなどのシナリオを多数手掛ける。1991年には「黒テント」(「68/71黒色テント」改め)の初代芸術監督に就任。1982年に『比置野ジャンバラヤ』で第27回岸田戯曲賞受賞。
1992年、こんにゃく座 in ジァン・ジァン《宮澤賢治歌劇場》でこんにゃく座を初演出(『猫の事務所』、『北守将軍と三人兄弟の医者』)。以後こんにゃく座での台本・演出作品は、『金色夜叉』(95)、『注文の多い歌劇場』(00)、『にごりえ』(00)、『好色一代男』(05)、あちゃらかオペラ『夏の夜の夢~嗚呼!大正浪漫編~』(08)など
東京都出身。1978年、東京芸術大学作曲科卒業。
1979年よりオペラシアターこんにゃく座、座付作曲家にしてピアニスト。1997年より音楽監督、2004年、代表に就任。
主なオペラ作品は、宮澤賢治原作による『シグナルとシグナレス』(85)、『北守将軍と三人兄弟の医者』(92)など多数、シェイクスピア原作・林光との共同作曲による『十二夜』(89)、『ハムレットの時間』(90)、その他、『月の民』(加藤直台本・98)、『ロはロボットのロ』(鄭義信台本・99)、『にごりえ』(樋口一葉原作・00)、『まげもん』(鄭義信台本・02)、『好色一代男』(山元清多台本・05)、『ネズミの涙』(鄭義信台本・08)など。最新作は、『ゴーゴリのハナ』(加藤直台本・11)。以上は、こんにゃく座によって初演された。
オペラ以外の作品には、合唱曲『飛行機よ』(詩:寺山修司)、『きもちのふかみに』(詩:谷川俊太郎)、『はっぱと りんかく』(詩:まど・みちお)、また『ピアノのための12の前奏曲』、宮澤賢治の作品にもとづく『よだかの星』、『風がおもてで呼んでいる』などがある。古今東西の詩人の詩によるソング多数。こんにゃく座以外の劇団への劇音楽も多い。俳優座プロデュース『夜の来訪者』、前進座『かんがえるカエルくん』、などがある。また、吉川和夫・寺嶋陸也と共に作曲家グループ「緋国民楽派」を結成し、作品発表をおこなっている。2000年秋には、文化庁在外研修員として、パリで研修をおこなった。
明治大学文学部演劇学専攻。在学中より「68/71黒色テント」(現「黒テント」)の活動に参加。黒テントの活動と並行して、劇団外部で、栗山昌良、佐藤信、加藤直、各氏の演出助手を務める。1992年、五島記念文化財団音楽部門新人賞を受賞し渡欧。英国のロイヤル・オペラ・ハウス、イングリッシュ・ナショナル・オペラ・ハウス等での研修を経て1995年帰国。
こんにゃく座では、『金色夜叉』(95)の演出協力、他に『ガリバー』(97)、『北守将軍と三人の医者』『注文の多い料理店』(04)の演出を務める。現在はオペラ、シアターピース、ミュージカル、小劇場演劇等での演出を務める。明治大学文学部非常勤講師、新国立劇場オペラ研修所講師、二期会オペラ研修所講師、桐朋学園大学音楽学部招聘講師。(株)ストーリー・レーン所属。
【日時】
公演日程:2012年2月10日(金)~12日(日)
| 10(金) | 11(土) | 12(日) | |
|---|---|---|---|
| 11:30 | ○ | ||
| 13:30 | ○ | ||
| 16:00 | ○ | ||
| 18:30 | ○ | ○ |
※開場は開演の30分前
【会場】
世田谷パブリックシアター
三軒茶屋駅[東急田園都市線(渋谷駅より2駅5分)・世田谷線]直結
キャロットタワー3F TEL.03-5432-1526
【チケット料金】
※全席指定 当日1枚につき500円増し
A席(1F・2F中央1列目)6,000円
A席ペアシート 11,000円
B席(2F) 5,000円
B席ペアシート 9,000円
こんにゃくシート(3F) 3,500円
学生割引(3F) 2,000円
劇場友の会 A席5,500円 B席4,500円(前売のみ・劇場チケットセンターにて)
世田谷区民割引 A席5,700円 B席4,700円(前売のみ・劇場チケットセンターにて)
【チケット発売日】
2011年12月10日(土)10時より
※こんにゃく座ファンクラブ「こんにゃクラブ」など先行発売あり:12月6日(火)10時より
【チケット取扱い】
| オペラシアターこんにゃく座 | TEL 044-930-1720 |
| チケットぴあ | TEL.0570-02-9999(Pコード:416-159) |
| イープラス | http://eplus.jp/ |
| ローソンチケット | TEL.0570-084-003(Lコード:30087) http://l-tike.com/ |
| カンフェティ | TEL.0120-240-540 http://confetti-web.com/ |
| 劇場チケットセンター | TEL.03-5432-1515 http://setagaya-pt.jp/ 携帯 http://setagaya-pt.jp/m/ |
【音楽芸術】
劇進行をあきさせずテンポよく運ぶ萩の腕はさすが。
(関根礼子)
【赤旗】
その台本を得て、座付作曲家の萩京子は力いっぱいの美しい歌と、骨太い響きの合唱を駆使した現代的な群像オペラに仕上げていた。
(小村公次)
【うたごえ新聞】
耳に分かり易く入ってくる達者な歌役者達と一台のピアノが創り出す雰囲気は、幕間休憩も惜しい程2時間半を飽きさせない。
(彦)
【まなぶ】
色と恋とは幾重にも人間関係を複雑にしていて「間」をつくっている。こういう話がオペラになるのだからすごい。
(恵)
【週刊オン・ステージ新聞】
このオペラが「イロとカネ」の世界を描きながら、それだけでなく、明治という時代状況を彷彿とさせるのも見ていて実に面白い。
(柿沼敏江)
【演劇と教育】
舞台は生きるということにとって、金ばかりでなく恋とは何かということを、問い直し、疑問を発する方向で指示した。一大メロドラマに取り組んだ意欲的な舞台。
(斉藤階子)
わかりやすいセリフと、人間が一人一人舞台の中で生きているという感じで、声楽のすばらしさと演技力、舞台美術のトリック的な進行に楽しく観劇することができました。
(53歳 会社員)
ふたりの仲違いの場面では涙が溢れそうになりました。無情な世の中で何が不変なのかを考えてしまいました。
(32歳 会社員)
この「金色夜叉」でも所々ではあるが、自分とダブるところがあったような気がしてならない。自分でよくわかっていても、見たくない、気づきたくない、そんな部分。それがおに(夜叉)なのかなあとも思った。
(高校2年生女子)
私は初めて生でオペラを見たのだが、まず最初に圧倒された。一人一人から発せられる声そのものにすごい想いが秘められていたように思えた。だから、演じている人たちの並々ならぬ気迫を心の底で受け止められたのだ。愛と金。貫一とお宮。貫一と満枝。二つのものはまるで違うもののように思われるが、本当はとても似ているものなのだと思う。
(高校3年生女子)
